冬の寒さが厳しい札幌で給湯器を選ぶ際、エコキュートは省エネ性や災害時の強みがある反面、「やめとけ」と言われるデメリットも存在します。本記事では、なぜそのような声があるのかを整理し、後悔しない導入判断のポイントを解説します。

なぜ「エコキュートはやめとけ」と言われるのか

エコキュートの設置を検討する時に、特に気をつけたい点はいくつかあります。

・導入コストが高い
エコキュートの初期費用はかなり高くなる傾向があります。機器本体の価格に加えて、専用配管や基礎工事、電気工事が必要なため、40～80万円など大きな導入資金が必要との指摘もあります。
　

・お湯切れのリスク
エコキュートは貯湯型（お湯をタンクにためるタイプ）なので、使えるお湯はタンク容量までです。家族が多かったり、一度に多量のお湯を使ったりすると、お湯切れが発生する可能性があります。

・水圧の弱さ

機種によっては「水圧が弱い」と感じるケースがあります。とくにシャワーの勢いを重視する人にはストレスとなることも。

・騒音・運転音

ヒートポンプユニットの稼働時には音が出ます。特に夜間や住宅密集地においては、運転音が気になると懸念されることがあります。

・寒冷地での効率低下

気温が非常に低い環境では、ヒートポンプの効率が落ちる可能性があります。札幌のような厳冬地では、性能低下や追加対策を要検討という意見もあります。

実際にトラブルを経験した人の声

エコキュートを使っていて不満を持つ人の口コミには、以下のような内容が見られます。

・エコキュートを設置したものの、お湯がすぐなくなってしまった。→ タンク容量の見積もりを甘く見積もっていた。

・導入時に工事費を抑えたが、その後のメンテナンスや故障が頻繁で、トータルでコストが膨らんだ。

・設置場所に十分なスペースがなく、タンクの配置が難しかった。

これらの声から、「省エネだからといって安易に導入するのは危険」という警戒感が出ています。

寒冷地・札幌で特に注意すべきポイント

札幌のような地域でエコキュートを導入・運用する際には、次のような点に注意しておくことが重要です。

1.寒冷地仕様を選ぶ

低温でも効率よく運転できるヒートポンプ、凍結対策を施した配管やタンクが必須です。

2.タンク容量の適切な選定

家族構成やお湯の使い方をよく見直し、「お湯切れ」が起きないサイズを選ぶこと。

3.設置スペースの確保

タンク＋ヒートポンプユニットの両方を配置するために、十分な敷地・強固な基礎・適切な排水経路を検討。

4.音対策

運転音が気になる場合は、設置場所やユニットの遮音対策を考える。

5.ライフサイクルコストを試算

初期費用だけでなく、メンテナンス費・故障リスクを含めて長期的にトータルコストを見積もる。

「やめとけ」と言われても導入する価値がある？

もちろん、エコキュートには強みもあります。

・光熱費を抑えられる（深夜電力との併用などで経済効果あり）

・貯湯タンクにお湯をためられるため、災害時にもある程度の備えになる

・燃焼を伴わないため、安全性が高い

これらメリットと、先に述べたデメリット（コスト・お湯切れ・騒音など）を天秤にかけて、自分のライフスタイルと住環境にふさわしいかどうかを見極める必要があります。

もし「初期費用を出せて、長期で使うつもり」「夜間電力を活用するプランがある」「メンテナンスもきちんと考えたい」という条件が整っていれば、エコキュートは選択肢として有力です。

まとめ：札幌での検討は慎重に、でも可能性はある

エコキュートは「やめとけ」という声があるのも事実ですが、それがすべての人に当てはまるわけではありません。特に札幌のような寒冷地では、導入時のハードルやリスクが高くなるものの、適切な機種選びと設置・運用設計を行えば、そのメリットを享受できる可能性があります。

最終的には、「デメリットを理解した上で、自分の家庭に合った選択をする」ことが非常に重要です。設置業者や専門家と相談し、エコキュートの強みと弱みをバランスよく評価した上で判断を進めることをおすすめします。